防犯意識の高まりとともに、自宅の鍵をより安全なものに交換したいと考える人が増えています。その選択肢として、まず筆頭に挙がるのが「ディンプルキー」です。従来のギザギザした鍵とは異なり、ピッキングに強く、不正な合鍵作成も難しいことから、多くの家庭で採用されています。しかし、その高い防犯性能と引き換えに、交換にかかる費用はどのくらいなのか、気になる方も多いでしょう。ディンプルキーへの交換費用は、主に「部品代(シリンダー代)」「作業費」「出張費」の三つの要素で構成されています。まず、費用の大部分を占めるのが「部品代」です。ディンプルキーのシリンダーは、内部構造が非常に複雑で精密なため、従来のシンプルな鍵に比べて高価です。製品のブランドや防犯レベルにもよりますが、一般的なディンプルシリンダーの部品代は、一万円から二万五千円程度が相場となります。複数のメーカーから様々な製品が販売されており、ピッキング耐性や破壊耐性のレベルが高いものほど、値段も高くなる傾向があります。次に「作業費」です。これは、古いシリンダーを取り外し、新しいディンプルシリンダーを設置するための技術料です。鍵交換の専門的な作業に対する対価であり、八千円から一万五千円程度が一般的な相場です。業者によっては、この作業費に後述の出張費が含まれている場合もあります。そして「出張費」です。業者が現場まで駆けつけるための費用で、二千円から五千円程度が目安ですが、業者からの距離や時間帯によって変動します。これらの三つの要素を合計すると、ディンプルキーへの交換費用の総額は、おおよそ二万五千円から四万五千円程度が一般的な相場と言えるでしょう。もちろん、これはあくまで目安であり、玄関のドアがツーロック(二つの鍵がある)の場合は、単純に費用も倍近くになります。値段だけで判断せず、複数の業者から見積もりを取り、料金の内訳をしっかりと確認することが、納得のいく鍵交換の第一歩となります。
ディンプルキー交換費用の内訳と相場