ディンプルキーへの交換を決めたものの、いざ製品を選ぼうとすると、その種類の多さに戸惑うかもしれません。様々なメーカーから、価格も性能も異なる多種多様なディンプルキーが販売されています。高ければ高いほど安心なのは分かっているけれど、予算には限りがある。ここでは、防犯性能と費用のバランスを考えた、賢いディンプルキーの選び方について考えてみましょう。まず、ディンプルキーの防犯性能を測る上で、一つの重要な指標となるのが「CP認定」マークの有無です。「CP(防犯)」マークとは、警察庁や関連団体が、厳しい試験基準に基づいて「侵入に五分以上耐えられる」と認めた防犯性能の高い製品に与えられる証です。ピッキングだけでなく、ドリルによる破壊など、様々な攻撃に対する耐性がテストされています。このCP認定を受けた製品であれば、一定水準以上の防犯性能が保証されていると考えて良いでしょう。費用を抑えたい場合でも、このCP認定品の中から選ぶのが基本となります。次に、国内で広く普及している代表的なメーカーの製品を知っておくと、選びやすくなります。例えば、国内シェアトップの「MIWA(美和ロック)」からは、コストパフォーマンスに優れた「U9」や、より防犯性の高い「PR」「LB」といったシリーズが販売されています。「GOAL(ゴール)」社の「V18」も、多くの住宅で採用されている信頼性の高いディンプルキーです。これらの国内大手メーカーの標準的なモデルは、CP認定を受けており、部品代も一万円台からと、性能と費用のバランスが取れた製品と言えます。一方、さらに高い防犯性能を求めるなら、海外の専門メーカーに目を向けるのも良いでしょう。スイスの「KABA(カバ)」社の「カバスターネオ」や、イスラエルの「MUL-T-LOCK(マルティロック)」などは、鍵の登録制度が非常に厳格で、不正な合鍵作成が極めて困難なことで知られています。これらの製品は、部品代も二万円以上と高価になりますが、最高レベルの安心を求める方には最適な選択です。自分の住んでいる地域の治安状況や、家族構成、そして何よりも予算を総合的に考慮し、「どの程度の安心を、いくらで買うか」を冷静に判断することが、後悔のないディンプルキー選びの鍵となるのです。
防犯性能と費用のバランスで選ぶディンプルキー