毎日忙しく過ごしていると、自分でも信じられないようなミスをして落ち込むことがあります。その代表例が、玄関の鍵をドアにさしたまま家の中に入ってしまうという失敗です。防犯面での恐ろしさを考えると、後で気づいた時の血の気が引くような感覚は筆舌に尽くしがたいものです。もし、こうした鍵の抜き忘れが数か月に一度ではなく、週に何度も、あるいは毎日のように続くのであれば、それは単なる性格の問題ではなく、日々の生活習慣や脳の使い道に問題があるのかもしれません。 まず見直すべきは、帰宅時のルーティンです。脳はマルチタスクを苦手とします。スマートフォンの画面を見ながら、あるいは電話で誰かと話しながら鍵を開けていませんか。また、両手に重い買い物袋を下げたまま、なんとかドアをこじ開けようとしていないでしょうか。脳のワーキングメモリが他の情報で占有されていると、鍵を抜くという動作の優先順位が極端に下がり、実行されずに終わってしまいます。帰宅時はまずスマホをポケットにしまい、荷物を一度足元に置く。そして鍵を抜く動作に意識を集中させるという、ごく短い静止時間を設けるだけで、抜き忘れは劇的に減ります。 次に、睡眠の質と量を確認してください。睡眠不足は脳の前頭葉機能を著しく低下させ、判断力や注意力を麻痺させます。これは泥酔状態で行動しているのと変わらないほどの影響を脳に与えると言われています。もし、鍵の抜き忘れと同時に、最近何事にも集中できない、イライラしやすいといった自覚症状があるなら、脳が深刻なエネルギー不足に陥っている証拠です。十分な睡眠を確保し、脳を休ませることが、何よりの再発防止策となります。 さらに、栄養バランスの偏りも脳のパフォーマンスに直結します。特にビタミン群やミネラルの不足は神経伝達を滞らせる原因となります。このように、鍵をさしたまま忘れるという行動は、私たちの生活の乱れを映し出す鏡のようなものです。病気を疑う前に、まずは自分の生活リズムを整え、脳が正常に働ける環境を作ってあげることが大切です。それでも改善が見られない場合に初めて、医療的なアプローチを検討するという順番が望ましいでしょう。
自宅の鍵を抜き忘れる失敗が続く時に見直したい生活習慣