「鍵は一本あれば十分」そう考えていると、万が一その一本をなくしてしまった時に、途方もない時間と費用、そして労力を費やすことになります。そうなる前に、必ず作っておきたいのが「合鍵(スペアキー)」です。では、車に差し込むタイプの鍵の合鍵は、どこで、いくらくらいの値段で作ることができるのでしょうか。作成場所は、主に「ディーラー」「鍵の専門業者」「ホームセンター」の三つが挙げられます。まず、最も手軽なのがホームセンターです。鍵のコーナーに元の鍵を持って行けば、専用の機械で数分から十分程度で合鍵を作ってくれます。値段も五百円から千五百円程度と非常に安価です。ただし、ここで作成できるのは、主にイモビライザーが搭載されていない、昔ながらのギザギザした形状の鍵に限られます。また、機械の精度によっては、微妙な誤差で鍵がスムーズに回らないといったケースも稀にあります。次に、街の鍵の専門業者です。ホームセンターよりも精度の高い機械と専門知識を持っているため、より正確な合鍵が期待できます。鍵の側面に波状の溝が彫られた「ウェーブキー」など、複雑な形状の鍵にも対応してくれる場合が多いです。値段は三千円から一万円程度と、ホームセンターよりは高くなりますが、その分、品質の安心感は高いと言えるでしょう。そして、最も確実なのが自動車ディーラーです。車検証に記載されているキーナンバーを元に、メーカーから純正の鍵を取り寄せてくれます。品質は折り紙付きですが、取り寄せに一週間から二週間程度の時間がかかることと、値段が比較的高くなるのがデメリットです。ここで絶対に注意しなければならないのが、何度も触れている「イモビライザー」の存在です。たとえ形が全く同じ合鍵を作ったとしても、イモビライザーが搭載されている車種の場合、鍵に埋め込まれたICチップの情報を車両に登録しなければ、エンジンは絶対にかかりません。この登録作業は、ディーラーか、専用の機材を持つ一部の鍵業者でしか行えません。安易にホームセンターで合鍵を作った結果、「ドアは開くけどエンジンはかからない」という無駄な出費に終わるケースは非常に多いのです。まずは自分の車の鍵がイモビライザー搭載かどうかを確認することが、賢い合鍵作成の第一歩です。
車の差し込む鍵の合鍵はどこで作れるか